ディレクターとして着実に実務経験を積める環境へ


前職までの経験とカカクコムへの入社理由を教えてください
新卒で入社したIT企業では、グループ横断のマーケティング組織に配属され、各事業部と連携したWEBキャンペーン、パブリシティ手配など、イベントに関連する案件のディレクションをしていました。入社当初から自社サービスサイトの制作・改善などを担当する部署に興味があり異動を希望していましたが、その部署が解体されてしまったのを機に、退職してイギリスへ留学しました。
留学先では大学に通い、WebデザインやWebマーケティングの講座を受けながら、海外でのビジネスの考え方やそれに基づいたサイト構造について学びました。帰国後はWeb制作の仕事がしたいという想いから、プラットフォーム事業を運営するWeb企業に入社。コラムサイトのUI改善・コンテンツ改善のディレクションを担当していました。入社後はすぐに統括部長となり、最終的には約90名の組織マネジメントを任せていただきました。携わる業種やマネジメントの幅も広がり、良い経験を積めているとは感じていたのですが、もう少し自分で手を動かして実務経験を積むことも必要なのではないかと考え、転職を検討しました。
カカクコムへは、転職活動を始めたときに、自分で募集を調べて応募しました。前職で「価格.com」や「食べログ」のサイト構造を参考にしていたこともあり、元々カカクコムに興味があったためです。
自分が日々参考にしているサイトを運営する会社で実務経験を積めることに加え、ディレクターとして分析や企画等サイト全体に関われることにも魅力を感じ、いちディレクターとしてカカクコムへ入社を決めました。
また選考の中で、しっかり検討した上で企画を進めていくような印象を受けたことも、入社の決め手になっています。前職はスピード重視の環境で短いスパンで幅広い経験ができましたが、自分にはひとつひとつ丁寧に施策を検討し、徹底的に効果検証しながら経験を積むことも必要だと考えていたので、カカクコムの仕事の進め方には魅力を感じました。
サイト内のレビューやデータを元に、
ユーザーの製品選びをサポート
現在担当している業務について教えてください
Webディレクターとして価格.comのPCとコンタクトレンズのカテゴリーを担当しています。それぞれのカテゴリーで多様なユーザーの視点を分析して課題や要件を定義し、社内のエンジニアやデザイナーと一緒に開発を行い、よりよいサービスへと進化させるミッションを担っています。
以前は、カテゴリーごとの担当は置かず、案件に応じてディレクターをアサインしていましたが、カテゴリーごとの特性を踏まえてページを最適化していくために、2020年から担当を分けることになりました。
PCカテゴリーで担当した施策例をあげると、「キーボードから選ぶノートパソコン」コンテンツの追加があります。ノートPCのユーザーレビューを見ていると、デスクトップPCと違いキーボードを替えることができないため、キーボードの打ちやすさを気にする人が多いことに気づきました。各PCメーカーもキーボードにこだわっているものが多かったのですが、その情報はそれぞれの製品ページまでいかないと確認できない。そこでキーボードからノートPCを選べるように、各PCメーカーの「キー数」やキーを押したときの深さを示した「キーピッチ」などの情報をひとつにまとめたコンテンツをつくり、そこから製品一覧へ遷移するような導線をつくりました。
次に、コンタクトレンズのカテゴリーで担当した施策例をあげると、スマートフォン用のサイトへの「シリーズ名と箱数を掛け合わせたボタン」の設置があります。コンタクトレンズのサイト内データを分析したところ、「シリーズ名」と「箱数」での流入が多いという結果に。そこで、そのふたつを掛け合わせたボタンを作成し、ページ上部に設置しました。
いずれの施策もユーザーが希望の製品に最短ルートでたどり着くことを目的とした取り組みです。価格.comのサイトは登録製品数が多く、情報量もリッチに作られていますので、どうすればユーザーが迷わずに目的のページに辿りつけるのかを念頭に置いて、企画を考えていくことが多いです。
プロジェクトの全体を俯瞰して、
本当にやるべきことを明確にする


仕事をする上で大切にしていることを教えてください
プロジェクトの全体を俯瞰して、本当にやるべきことを明確にするように心がけています。
Webディレクターはプロジェクトの旗振り役として、様々な事象に対して客観的な目線で物事を判断することが求められます。デザイナーやエンジニアへのタスクの割り振りやスケジュール調整の中で、ディレクターがひとつのタスクに没頭してしまうと、成果物として出来上がったものが本来の意図と異なるものになってしまうことも。常に関係者よりも俯瞰してプロジェクトを捉えて、フラットに物事を判断し、施策の目的とユーザーからの見え方がぶれないように気をつけながらプロジェクトを進めています。
また、クライアントがいる案件の際には、社内の営業担当者に対してクライアントがどういったものを求めているのかをしっかりとヒアリングして、すり合わせを行います。
価格.comはひとつひとつのページの構成要素が多いサイトなので、施策を行った際の影響を予測する必要があります。例えば企画側で考えたコンテンツをページ内に入れることで、同じページ内にある広告枠の押下率が下がってしまうかもしれない。そうならないために、施策を進める際にはサイト全体への影響を広く考慮し、関係部署へ細かく情報共有するようにしています。
部署間の連携を密にすることで、
会社としての付加価値を最大限活かしていく
実際に働いてみてのカカクコムの印象を教えてください
「ユーザー目線」が浸透している会社です。何か物事を進める際、まずはユーザーの立場になって考えてみるという目線を共通して持っており、企画会議でもユーザーの立場になって考えられているかどうかを周りの社員から指摘されることが多いです。
また、全社的に部署間の連携を重んじる社員が多いように感じています。部署ごとに主張をし合うのではなく、連携を密にすることで、会社としての付加価値を高めているのだと思います。
人柄としては、細やかな配慮のできる人が多いです。実際に入社して初めて他部署の社員と打ち合わせをした際にも、一度も顔を合わせたことのない私に対してすごく丁寧に業務について教えてくれ、細やかなコミュニケーションをとってくれたのは印象的でした。
ひとつひとつ実績を積み上げて、
いずれは組織を適切な方向へと導けるような役割へ


今後チャレンジしたいことを教えてください
短期的には、現在新規施策として進めている「Web接客ツール」の導入を成功させたいです。
製品を探しているユーザーに対して、家電量販店の店員に接客されているように、「今お困りですか?」「どのような用途でその製品を使われる想定ですか?」と能動的に働きかけるツールです。
コロナ禍で実店舗に足を運ぶ機会が減っている中、オンラインの中でもオフラインと変わらない製品選びのサポートができるようになる。このツールを完成させることで、価格.comのサイトとしての価値がもう一段上がるのではないかと思っています。
中長期的には、元々前職で経験していたマネジメントレイヤーになっていたいと思います。カカクコムへ入社したのは実務経験を身に付けるためですので、すぐにというわけではありません。今は将来的に自分のチームを適切な方向へと導けるようになるための実績を積み上げていく期間だと捉えていますが、十分な経験を身につけることができたら、前職のマネジメント経験を活かせるような立場になっていたいと考えています。
※記載内容は取材当時のものです。
